オーディオ/ミニアンプ0.1/試作+評価+改善

一次評価

ノイズ問題

 試験用の小さいスピーカではなく、実際使っているスピーカから音を出して確認するようになると、アイドル時のホワイトノイズ(スノーノイズ)や、ハムノイズが大き過ぎて、がっかりしました。

混入場所の特定

  • アナログポートをオフにするとノイズはほぼない。アナログポートが問題と特定
  • アナログポート毎に、その大きさが違う。配線隣接ノイズ? → 最終的に原因不明

電源の雑音

 DC-DCコンバータを使っているので、ノイズは多いはず。実際、ボリューム位置によって、スピーカから1kHz〜の甲高いノイズ(ヒューヒュー音)が、少し聞こえる。スピーカに直接混入?アナログポート系?Bluetooth音源では現象がないので、アナログポートからの混入と判断。ボリューム調整すると変化するので、DC-DCコンバータのスイッチング周波数が影響しているとしか考えられない。以下、対策。

  • パスコン盛り:若干の効果はあった
  • 仮想AGND信号で相殺:自分の電源由来のノイズであれば、AGNDにも同じノイズが入っていると考えられるので、引けば相殺できるはず。ソフトウエアで対応可能。効果はあった。無音時はほぼ消えたが、音が出ている中にまだ紛れ込んでいる。
  • 電源上に乗るノイズ波形をチェック:ボリュームに連動し4〜7kHzでノイズ成分を確認(OKL-T3-W12データシートでは600kHz)直接の影響が少ないはずの3.3V, 5Vにも10mV級のノイズがある。GNDにさえもノイズを確認。アナログ系の電源を、できるだけ分離してノイズが伝播してこないようにする。プリアンプ周りの回路を、AVDD,AGNDを使うように変更。ヒューヒュー音は、全くと言って良いほど消失。先の仮想AGNDの対応は不要となる。

ハムノイズ

特定の音源機器で、無音時のハム音がたいへん気になる。50,60Hzを排除するフィルタ(100Hzローカットフィルタ)が必要。

  • ハードウエアでのフィルタ回路追加:単純な回路だが、コスト増。詳しい対応は、「バンドパスフィルタ」を参照。
  • ソフトウエアでのフィルタ演算:計算処理の負荷が大きい。上記で解決したので未対応。

ホワイトノイズ

 A/D変換時にどうしても発生するらしい。

  • ADC精度アップの一般法:ソフトウエアで移動平均、要はハイカットフィルタ処理。計算処理の負荷が大きいので未対応。
  • エラッタ:STM32F4固有の問題。アプリケーションノート”AN4073”の通り、レジスタ設定するだけで対策。実施済み。ホワイトノイズが若干低減。

 ちょっとした要因でも、耳には聞こえてしまう所が面倒。というか電気回路を体感するには良い機会だった。しかし、ノイズ低減はまだ十分ではないと思う。なお、評価時に使用しているスピーカーは以下の通り。

  • SONY  SRS-56 安いスピーカ感、素直にノイズを認識できる
  • BOSE 101MM  ハムノイズを解決すると、普通に聴けるようになった
  • BOSE AM-5V  上記と同じ

二次評価

実用しているか?

使う頻度

毎日8時間以上、今後3年以上は使い続けるだろう。

使い勝手

メインボリューム

 変化が直線的ではない。→2値制御対応で少し改善。不意の音消しにきわめて有効。大きいつまみにしたのは正解だと思う。

LCD表示

 多系統の同時レベル表示は良い。タッチパネルは使いにくい感があるが、頻度が少ないので問題無し。上面に表示を持ってくるのは、今回では良い方法とは言えなかったと思う。正直失敗。

正確性(仕様通りか)

音量

 測定器がないので検証できないが、気持ち小さいような気がする。

音質

 AM放送レベル、とりあえず目標に達したと言える。 →2値制御対応で改善できた。全体的に小音量時のざらつき感/ひずみ感があるが、中音量以上では悪くない。やはり、可変電圧での最終音量調整方式は失敗だったかもしれないと感じる。もう少し改善したいと言う気持ちが残る。

エネルギー効率

 アイドル時に1Wである事を確認できたので問題ないと言う認識。バックライト消灯/調光機能が未実装。(ハード対応済み、ソフト未対応)→実装済

作って満足だったのか?

得られた知識

 PWMだけでも結構良い音が出る。感動した。(ビープ/オルゴール音以上、HiFi以下)クラッシックBluetooth仕様の理解が少し深まった。仕様書通りにSBCデコードのコードを書いただけだけど、音声を再生できた事にも感動した。

他の人が役に立つと思うか?

 有意情報は少ない。あたりまえの事だけ。今回はコスト最優先ではないので、自己満足/勉強の意味が強い。

スケジュール感

 時間をかけ過ぎというか、労働期を挟んでしまったので長期間になった。開発とは、時間のかかる作業なのかもしれない。

Copyright©2018 Toyohiko TOGASHI


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